答えのないことを考え続けるのが大事、の巻。
学生時代、数学が苦手でした。
高3の夏休みの補講で、先生に受験のグチを聞かせていたとき。
「社会に出たら、答えがないことばっかりやで」
受験は、決まった答えを導いて、点数がついて、それが高い順に合格していく。
「平等なもんやんか~」
この言葉が理解できるのに、10年くらいかかったと思います。そこからさらに10年近く経って、本当によく思い出します。
モヤモヤするけどおもしろい哲学の授業
これまた10年ほど前でしょうか。ハーバード大学のマイケル・サンデル先生が流行りましたね。
あるシチュエーションに対して、あなたはどういう行動を起こすか、それはなぜか、という問いと答えを繰り返す授業。
100人以上いる教室で、自分の考えを発表する学生の姿。あんなに手を挙げる人がいることにもびっくり。「白熱教室」とはうまく名付けたものです。
さて、そんな熱意は全く持ち合わせない学生だった私も、哲学の授業を受けていました。
純粋におもしろかったです。
選択自体は、わりと簡単にできる。
でも、少し設定を変えられたら、さっきの選択の根拠が揺らぐ。
それなりに考えて答えたつもりが、実は感覚的・直観的だったことに気付く。
結局、シロクロはつけられず、グレーに終わる。
教授曰く、「答えがないからこそ、考え続けることが大事」。
ご存じの方も多いと思いますが、有名な練習問題?
↓
あなたは電車の運転手です。運転中、ブレーキが利かないことに気付きました。目の前には線路の分岐点。一方にはひとりの作業員、もう一方には5人。
あなたは、どちらに進みますか?
(バリエーション1)
あなたは、高架の上からこの状況を見ています。あなたの隣にひとりの巨漢。あなたがこの男を突き落とせば、ちょうど分岐点の手前に落ちてクッションになり、電車が止まって6人が助かる…
(バリエーション2)
バリエーション1の男が高架を歩いて来る。その先が腐っていて、これ以上進んで来ると踏み抜いてしまい、男は分岐点の手前に落ちる。教えるか、見過ごすか…
(バリエーション3)
分岐点の先の作業員の数が同じだったら…
(バリエーション4)
分岐点の先のひとりが、それぞれ赤ちゃんと老人だったら…
決めるのは自分。動いたから見えることもある。
正解はない。より良いと思うほうに進むしかありません。
どちらに進むか、シロクロつけるのは勇気のいること。グレーのままだと、現状維持。
最終的に一歩を踏み出すなら、しばらく悩んでも、直観を信じても良いと思っています。
以前、オススメ本としてあげた、マザーハウスの山口さんの考え方が、私は好きです。
最後、進むかどうかを決めるのは正しさではなく、自分の心だということ。…中略…プラスもマイナスもあった上で結果が、0ではなく、もし0.001でもプラスなら、やる意味があるんじゃないかと私は思って、一歩を踏み出している。
「自分思考」より
ちなみに岡本太郎は、より困難に見えるほうを選ぶらしい。天才は違います。
↓ こちらも、覗いていただけるとうれしいです。
mitsume-tobesimple.hatenablog.com
読んでいただき、ありがとうございました!
それでは、また。